テレワークの推進に伴い、ワーケーションは近年盛んに導入されつつある新しい働き方です。
すでにいくつかの自治体では、ワーケーション目的の観光客を積極的に受け入れています。
ワーケーションは従業員のみならず、ワーケーション先の自治体にも大きなメリットがあります。
大きなものの一つとして、
「観光客がたくさん来るから地域が活性化する」
が挙げられます。
しかし、自治体が受けるメリットはこれだけではないんです。
そこでこの記事では、ワーケーションを誘致する際に自治体が受けるメリットを詳しく紹介します。
また、自治体がワーケーション客を誘致する際に準備すべきことも併せて紹介していきます。
本記事を読めば、明日の会議で自信を持って
「ワーケーション客をぜひうちの自治体に誘致しましょう!」
と皆さんに提案することができるはずです。
自治体がワーケーション客を受け入れるメリット
自治体がワーケーションを受け入れるメリットには次の5つがあります。
◎自治体の知名度向上に繋がる
◎自治体の財政が潤う
◎移住者増加に繋がる
◎ピーク時期の分散
◎空き家や空きスペースの有効活用
それぞれ解説していきます。
自治体の知名度向上に繋がる
冒頭でも述べましたが、ワーケーションを積極的に誘致している自治体がいくつかあります。
とは言え、ワーケーションを積極的に誘致している自治体はそれほど多くありません。
ワーケーションを積極的に誘致していることを外部にアピールすれば、希少性の面や新しい働き方を柔軟にサポートしているという先進的でポジティブなイメージを持ってもらうことができます。
自治体以外の方々に先進的でポジティブなイメージを持ってもらうことができれば、観光客の増加にも繋がってくると考えられます。
自治体の財政が潤う
ワーケーションは仕事以外の時間は観光したり食事をしたりすることが多いです。
したがって、観光地やレストラン、ホテルなどの利用客が増えることとなり、財政が潤うことになります。
移住者増加に繋がる
ワーケーションは大半の場合で1週間〜10日程度滞在することが多いようです。
そのため、ワーケーション先の地域での生活を体験することができ、気にいることがあればワーケーションをきっかけにワーケーション先の地域への移住を検討する人も多くなってくると考えられます。
近年は新型コロナウィルスの感染拡大により地方移住を検討する人が多くなってきました。
この流れを利用してワーケーション誘致から、更に移住者の誘致も視野に入れるといいかもしれません。
ピーク時期の分散
有名な観光地の場合は、ピークシーズンになると観光客で溢れ返っています。
うれしい悲鳴と言えばうれしい悲鳴なんですが、観光客の増加はオーバーツーリズムにもつながります。
バルセロナではこのオーバーツーリズム問題が深刻化しているとのニュースを見たことがあります。
日本ではそれほどオーバーツーリズムが問題になっていませんが、今後、問題になってくる可能性もあります。
ワーケーションの導入が盛んになると、本来はピークシーズンにしか休みが取れなかった観光客がピークシーズン以外に旅行しようとする流れができます。
そのため、ワーケーション客を積極的に誘致すれば、本来ピークシーズンに訪れていた観光客をオフシーズンに誘致することができ、ピークシーズンの観光客を減らすことも可能になります。
空き家や空きスペースの有効活用
過疎が進んでいる地域では空き家や空きスペースがたくさんあるのではないでしょうか?
ワーケーションを積極的に誘致している地域では、空き家を借りられるプラットフォームができたり、空きスペースをコワーキングスペースに改修したりするケースも増えてきています。
空き家や空きスペースを有効活用できれば、街全体の活性化に繋がります。
自治体がワーケーションを受け入れるために準備すること
自治体がワーケーションを受け入れるために準備すべきことは以下の5つです。
■Wi-Fiなどの通信環境の整備
■観光地情報の発信
■ワーケーションプランを設けているホテルを増やす
■住民の理解
■補助金の検討
それぞれ解説していきます。
Wi-Fiなどの通信環境の整備
ワーケーションは基本的にリモートワークになるため、Wi-Fiなどの通信環境が整備されていることは非常に重要なことです。
今ではホテルやコワーキングスペースにはWi-Fiが完備されていることがほとんどですが、もしまだのところがあれば対応しておくべきです。
観光地情報の発信
ワーケーションはどちらかと言えば観光することがメインの働き方です。
したがって、ワーケーション先の選定には観光地が魅力的であることが重要な条件になります。
そのため、観光地情報の発信が非常に重要です。
ワーケーションを積極的に誘致するのであれば、ターゲットは働き盛りの20〜40代がメインになると思います。
この年代をターゲットにするのであれば、インスタグラム やツイッター、YouTubeなどのSNS発信が欠かせません。
是非これらのSNSを活用して、観光地情報を発信しましょう。
ワーケーションプランを設けている宿を増やす
近年、観光地ではワーケーションプラン(連泊で宿泊費が割引かれるなど)を設ける宿泊施設も多くなってきました。
宿泊費は旅行の出費において大きな部分を占めるものなので、ワーケーションプランがある宿泊施設は利用者にとって非常に助かります。
もしワーケーションプランを設けている宿泊施設が少ない地域だと
「ホテルが高いから他の地域にしよう」
「ホテルが高いから早めに帰ろう」
といった感じで、そもそもワーケーション先に選ばれなかったり、お金を落としてもらえる機会が少なくなってしまいかねません。
もしあなたの自治体にワーケーションプランを設けている宿泊施設が少ない場合は、ホテルにワーケーションプランを設けるよう働きかけることも有効です。
住民の理解を得る
ワーケーションなどで観光客が多くなると、人混みや騒音などの問題が発生します。
観光に従事する人にとっては観光客が増えることは歓迎すべきことですが、その地域に住む住人の全員が全員歓迎しているとは限りません。
観光客の誘致を積極的に行う場合は、住民への説明や理解を求めることも大切なことです。
補助金の検討
ワーケーションを誘致するためには、ワーケーションで訪れる観光客に対して、補助金を出すことも有効です。
以下の地域ではすでにワーケーション(テレワーク)目的の滞在者への補助金を導入しています。
補助金導入地域 | 内容(補助額など) | |
茨城県(大子町) | 【テレワーク体験ツアー】 ・初日・2日目の昼食費、宿泊費、夕食費、翌日の朝食費、ワークショップ(コーヒー豆焙煎)参加費は無料。 ・現地までの交通費、りんご狩り費用、オプションの費用等は各自で負担。 |
詳細ページ |
長野県(信濃町) | 【移住体験】 ・6泊までは無料。7泊を超える場合は1泊1,650円(1世帯) ・共同交流室は1回 3,300円 |
詳細ページ |
丹波市(兵庫県) |
【お試しテレワーク・移住体験】 |
詳細ページ |
福岡県(豊前市) |
【利用料金】 |
詳細ページ |
福岡県(うきは市) |
【「新しい生活様式(働き方)」を用いた観光客誘致による地域産業緊急支援事業補助金】 交通費=実費*0.5(上限4.5万円) |
詳細ページ |
鹿児島県(錦江町) |
【錦江町お試しサテライトオフィス~南国田舎ワーケーション体験~】 <錦江町ワーケーション体験> <錦江町お試しサテライトオフィス利用> |
詳細ページ |
自治体によって補助金額や条件は様々なので、導入の際はぜひ参考にしてみてください。
まとめ
本記事では、自治体がワーケーション客を誘致することのメリットと誘致するために準備すべきことを紹介させていただきました。
ワーケーション客誘致をご検討の際は、ぜひ本記事を参考にしてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。